(3)地すべり防止工法等




…………………………………………………………………………………………
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 問題 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
…………………………………………………………………………………………
<抑制工>
………………………………
問1 一般
………………
 a, 地すべり防止工における抑制工は、すべり面を貫いた構造物により地す
  べり推力に対抗し、地すべり移動を抑制するものであるのか? (h23)


………………………………
問2 横ボーリング工
………………
 a, 横ボーリング工の掘進は、66mm以上の孔径で、概ね仰角5〜10度の勾配と
    し、目的とする滞水層、又はすべり面からさらに5m以上先までの余裕を
    もった長さを標準とするのか? (h16,h11)

………………
 b, 浅層の地下水が集中している部分に設ける横ボーリング工は、ボーリン
  グ先端の間隔が5〜10mとなるよう放射状に設けるのか? (h15,h11)

………………
 c, 深層の地下水排除のために設ける横ボーリング工は、長尺なものほど孔
    曲りを生ずるおそれがあるので、その長さは50m程度までを標準とするの
    か? (h21,15)


………………………………
問3 集水井工
………………
 a, 集水井の深さは、活動中の地すべり地域内では底部を基盤に2〜3m程度貫
    入させ、休眠中の地すべり地域では底部を2m以上地すべり面より浅くす
    るのか? (h21,16,15)



………………………………
問4 暗渠工
………………
 a, 暗渠工の深さは2m程度を標準とし、底には漏水防止のため防水シート等
    を布設し、暗渠管の周囲ならびに上部には土砂の吸出しによる陥没を防
    止するため吸出防止材を布設するのか? (h16)

………………
 b, 暗渠工は、1本の暗渠の長さを20m程度の直線とし、目詰りや集水した地
    下水の再浸透が起こらないよう、集水ますを設けて地表排水路に排水す
    る構造とするのか? (h15)

………………
 c, 暗渠の深さは地表から2m程度を標準とし、底に漏水防止のため防水シー
    ト等を布設するのか? (h11)

………………
 d, 暗渠工は、集水した地下水が再浸透する構造とし、できるだけ長い直線
    とするのか? (h11)


………………………………
問5 排水トンネル工
………………
 a, 排水トンネル工は、原則として基盤内に設置し、トンネルからの集水ボ
    ーリングや集水井との連結などによって地すべり地域内の水を効果的に
    排水することを目的とするのか? (h16)




………………………………
問6 排土工
………………
 a, 排土工は、排土による応力除荷に伴う吸水膨潤による強度劣化の範囲を
  斜面表層部に限定するため、地すべり全域に渡って、斜面に平行に施工
  するのが基本であるのか? (h27)

………………
 b, 排土工は、地すべりの推力を減少させることを目的としており、排土は
  地すべりの頭部域において行われ、末端域では、行わないのか? (h26)

………………
 c, 排土工の施工は、斜面上部より下部に向かって行うのを原則としてお
  り、上部斜面の地塊を下部に向かって押し出し、これを排除する方法が
  取られるのか? (h26)  

………………
 d, 排土工は、地すべり頭部の土塊を排除し、地すべりの滑動力を低減させ
  るための工法で、その上方斜面の潜在的な地すべりを誘発することのな
  いことを事前に確認した上で施工するのか? (h25)

………………
 e, 排土工における排土位置は、斜面の安定を図るために、原則として地す
    べり頭部の土塊とするのか? (h21)

………………
 f, 排土は、地すべり箇所全域において、斜面とほぼ平行に浅い切土を行う
    ことが原則であるのか? (h20)

………………
 g, 地すべり頭部の地塊の厚さが末端の厚さに比較して厚い場合、頭部の排
    土は効果が小さいのか? (h20)

………………
 h, 対策を行う地すべり地に続く上部斜面に潜在性地すべりが分布している
    場合には、排土を急速施工することが原則であるのか? (h20)

………………
 i, 排土は、地すべり箇所の斜面上部より下部に向かって行うことが原則で
    あるのか? (h20)



………………………………
問7 押え盛土工
………………
 a, 押え盛土工は、盛土部の下方斜面に潜在性の地すべりがある場合、下方
  斜面の地すべりを誘発する可能性があるので、盛土部基礎の安定性につ
  いて十分に検討を行うのか? (h27)

………………
 b, 盛土工は、すべり面が円弧形状の場合に効果が大きく、末端域の地塊の
  厚さが頭部域の地塊の厚さに比較して大きい場合に効果が特に大きいの
    か? (h26)

………………
 c, 盛土工は、地すべり末端での地下水の浸透域や浅部の透水層を遮断でき
  る範囲に施工することにより、土塊中の間隙水圧が増大し、抑制効果が
  大きくなるのか? (h26)

………………
 d, 押え盛土工は、地すべり末端部に排水性のよい土を盛土し、地すべり滑
  動力に抵抗する力を増加させるための工法で、一般に排土工と併用する
  と効果的であるのか? (h25)


………………………………
問8 地表水排除工
………………
 a, 地すべり地域内に設ける地表水排除工は、柔軟な構造とし、ある程度の
  変状に対してもそれに応じて機能を維持でき、また修理の容易なものと
    するのか? (h27)


………………………………
問9 地下水遮断工
………………
 a, 地下水遮断工は、遮水壁の後方に地下水を貯留することがあるので、地
  すべり地内でこれを用いることは、逆に地すべりを誘発する危険がある
    のか? (h27)






<抑止工>
………………………………
問10 一般
………………
 a, 地すべり防止工における抑止工は、地形、土質、地下水などの状態、す
  なわち、地すべりの誘因となる自然的条件を変化させることによって地
  すべり運動を抑止するものであるのか? (h23)

………………………………
問11 杭工
………………
 a, 杭工は,地すべりの移動に伴って杭部材の剛性で抑止力を発揮するため,
    杭頭が変位することはないことから,この杭を他の構造物の基礎工とし
    て併用することが一般的であるのか? (h28)

………………
 b, 杭の配列は,地すべりの運動方向に対して概ね平行で,杭間隔は等間隔と
    なるようにし,単位幅当たりの必要抑止力に,削孔による地盤の緩みや土
    塊の中抜けが生じるおそれを考慮して定めるのか? (h28)

………………
 c, 杭工は、鋼管杭などですべり面を貫いて基盤まで挿入することによっ
  て、地すべり滑動力に対して直接抵抗する工法で、杭の根入れ部となる
  基盤が弱く、地盤反力の小さい場所に適しているのか? (h25)  

………………
 d, 基礎地盤のグラウトは、基礎地盤の風化や軟弱化を防止するために、杭
    と孔壁との間にグラウトパイプを挿入し、基礎地盤のき裂及び孔壁と杭
    間をモルタルグラウトにより充てんするのか? (h22)

………………
 e, 曲げ杭の値入れ長は、地すべり面における曲げモーメント第1零点まで
    の長さの1.5倍程度として施工するのか? (h22)

………………
 f, せん断杭の値入れ長は、基礎地盤の強度により原則として杭の全長の1/4
    〜1/3として施工するのか? (h22)

………………
 g, 単列の杭工を施工する場合は、基盤の破損を避けるために孔壁間の距離
    は1m未満を原則とし、配列は地すべりの運動方向に沿って、等間隔にな
    るよう施工するのか? (h22)

………………
 h, 抑止杭工の杭の配列は、地すべりの運動方向に対してほぼ並行に等間隔
    で行うのか? (h21)

………………
 i, 杭工は大口径で削孔した垂直孔に杭を挿入し、グラウトするのが一般的
    であるが、地すべり対策の応急処置として鋼管杭、H型鋼杭等の打込み
    杭が用いられる場合があるのか? (h12)



………………………………
問12 シャフト工
………………
 a, シャフト工は、地すべり土圧が小さく、基礎地盤が不良で地すべり土塊
    の厚さが20m以上の場合に施工するのが一般的であるのか? (h12)



………………………………
問13 アンカー工
………………
 a, アンカーの定着長は,地盤とグラウトとの間の付着長及びテンドンとグ
    ラウトとの間の付着長について比較を行い,それらのうち短い方とする
    のか? (h28)

………………
 b, アンカー工の打設角は,低角度ほど効率がよいが,残留スライムやグラ
    ウト材のブリーディングにより健全なアンカー体が造成できないので,
    水平面前後の角度は避けるものとしているのか? (h28)

………………
 c, アンカー工は、斜面から基盤に鋼材などを挿入し、基盤内に定着させた
  鋼材などの引張り強さを利用して斜面を安定化させる工法で、特に緊急
  性が高く早期に効果を発揮させる必要がある場合などに用いられるの
    か? (h25)

………………
 d, アンカー工には、すべり面に対する地すべり土塊の垂直応力を増加させ
    ることによって、せん断抵抗力を増加させようとするものと、地すべり
    土塊がすべり面に沿って滑動しようとしたときに、アンカーのすべり面
    の接線方向の分力によって地すべり土塊をひき止めようとするものの2
    つのタイプがあるのか? (h12)



………………………………
問14 擁壁工
………………
 a, 一般に、擁壁は、背面地山の土圧及び水圧を考慮して安定計算されてい
    るので、擁壁背面の水を排除する排水孔を設ける必要はないのか?
   (h18)

………………
 b, 急傾斜地の斜面の下部に設ける擁壁の基礎掘削は、施工中及びその後の
    斜面の安定に及ぼす影響が大きいので、できる限り最小限にとどめるの
    か? (h18)

………………
 c, 基礎地盤が岩盤である場合の基礎の不陸整正には、原則として掘削した
    岩を使用するものとするのか? (h18)

………………
 d, 擁壁躯体の伸縮継目は、一般に、30〜40mに1箇所程度設けるのか?
    (h18)

………………
 e, 擁壁工には、大規模な地すべりの抑止にはあまり大きな効果は期待でき
    ないが、一般に押え盛土と併用して、押え盛土の土留めとして用いるこ
    とが多いのか? (h12)



………………………………
問15 がけ崩れ防止工
………………
 a, がけ崩れ防止工における切土施工中の降雨後は、斜面を踏査し、斜面内
  及び斜面背後の亀裂の発生や湧水、湧水の濁りなどの変化を点検し、し
  ばらくは掘削を見合わせるのか? (h23)

………………
 b, がけ崩れ防止工における切土斜面の法肩付近は、侵食を受けやすいので
  原則として地表水が分散する地形に排水路を設けて斜面への流入を阻止
    するのか? (h23)









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▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 解答 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
…………………………………………………………………………………………
問1
………………
 a, × 記述の内容は、抑止工である。

………………………………
問2
………………
 a, ○
………………
 b, ○
………………
 c, ○


………………………………
問3
………………
 a, × 集水井の深さは、活動中の地すべり地域内では底部を2m以上地すべ
    り面より浅くし、休眠中の地すべり地域では底部を基盤に2〜3m程度
        貫入させる。



………………………………
問4
………………
 a, ○
………………
 b, ○
………………
 c, ○
………………
 d, × 暗渠工は、集水した地下水が再浸透しない構造とし、また1本の長
    さは20m程度で直線とする。


………………………………
問5
………………
 a, ○



………………………………
問6
………………
 a, × 地すべり箇所全域ではなく、地すべり頭部に行う。
………………
 b, ○
………………
 c, ○
………………
 d, ○
………………
 e, ○
………………
 f, × 地すべり箇所全域ではなく、地すべり頭部に行う。
………………
 g, × 排土工は、排除する頭部の土塊が大きいほど効果も大きい。
………………
 h, × 
………………
 i, ○


………………………………
問7
………………
 a, ○
………………
 b, ○
………………
 c, × 地下水は、適切に排除できるようにしなければならない。
………………
 d, ○


………………………………
問8
………………
 a, ○


………………………………
問9
………………
 a, ○


………………………………
問10
………………
 a, × 記述の内容は、抑制工である。


………………………………
問11
………………
 a, × 
………………
 b, × 杭の配列は、地すべり運動方向に対して、直角とする。
………………
 c, × 杭の根入れ部となる基盤が強く、地盤反力の大きい場所に適して
    いる。
………………
 d, ○
………………
 e, ○
………………
 f, ○
………………
 g, × 「1m未満」ではなく、「1m以上」とする。また、1m未満となる場合
    は、杭配列を千鳥配列とする。
………………
 h, × 「並行」ではなく「直角」である。
………………
 i, ○


………………………………
問12
………………
 a, × シャフト工は、地すべり土圧が大きく、基礎地盤が良好で地すべり
        土塊の厚さが20m以下の場合に施工する。


………………………………
問13
………………
 a, × 「短い方」ではなく、「長い方」である。
………………
 b, ○
………………
 c, ○
………………
 d, ○


………………………………
問14
………………
 a, × 擁壁背面の水を排除するために、排水孔を設ける。
………………
 b, ○
………………
 c, × 均しコンクリートで行う。
………………
 d, × 伸縮継目は、10〜20mに1箇所程度設ける。
………………
 e, ○


………………………………
問15
………………
 a, ○
………………
 b, × 「地表水が分散する地形」ではなく、「地表水が集中する地形」で
    ある。




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